コラム

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2021.03.11

ED治療とは 

日本では「いんぽ」とも呼ばれているED(勃起不全)の治療方法は、現在数種類の治療薬が登場しており、ED治療薬の服用でED治療(いんぽ治療)を行うのが一般的になってきています。今回はEDにおいて、言葉の意味や治療薬、処方・購入・ネット通販・個人輸入、治療費(費用)や保険についてお話ししていきます。

ED(勃起不全・いんぽ)とは

勃起不全という言葉を見ると全く勃起が出来ない状態をイメージする方も多いと思います。診察の際に「勃起は出来るけど途中でダメになる」「最後まで勃起が維持できないだけでEDじゃない」「硬さが少し足りないくらいで」と仰る方もいます。もちろん全く勃起が起こらない状態はEDになりますが、実際は途中で萎えてしまう中折れや最後まで維持が出来ない状態もEDに含まれます。つまり、程度の差こそありますが、EDは満足のいく性行為が出来ていない状態全てが該当します。

日本国内の患者数は1998年の調査によると、およそ1130万人と推定されています。この中に含まれているのはいつも性交できないEDの患者と、時々性交できないEDの方のみです。したがって、たまに性交できない比較的軽めのEDの方を含めれば患者数はさらに増えます。特に50~60歳代は半分以上、2人に1人がEDとなっています。ただし、現在EDは年齢問わず現れる症状となっており20代~30代の患者も見られます。日本の男性の大多数が悩んでいる症状の一つと言えるでしょう。

ED治療とは

このEDを治療する方法を以下ご紹介していきます。

ED治療薬(バイアグラ・レビトラ・シアリス)

ED治療の主流といえばED治療薬です。性行為前に1回1錠を服用し、EDを改善する薬剤になります。最初に開発され知名度の高いバイアグラ、その後バイアグラの改良版であるレビトラ、バイアグラ・レビトラと違い、長時間持続タイプの特徴をもつシアリスの3種類があります。それぞれ成分名をシルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィルといい、この成分の作用によって勃起しやすくなる状態になります。

EDは保険診療にはならず自由診療になってしまうものの、用量にもよりますが1錠あたりおよそ1000円~2000円程度で、経済的にも大きな負担にはなりにくく、自分に合う薬剤も試しやすくなっています。

ICI治療

こちらは陰茎に直接注射することで勃起を促す治療法です。この治療を受けた95%以上の方が効果を感じたというデータがあり非常に効果的に見えますが、日本では承認されていない治療法です(つまり自己責任となります)。初回はドクターがやり方を交えて注射しますが、2回目以降は自分で注射をするため、注射の仕方をしっかりと把握し、注射する恐怖心を乗り越えなければなりません。また注射後5分~10分で効果が現れ、3時間ほど持続するので初回は注射を受けたらすぐに性行為に入る必要があります。

実際ICI治療は、基本的にはED治療薬を服用できない方や神経に異常がありED治療薬の効果が全く現れない方が検討する治療法となります。特に、こちらは注射1回につき1万円ほどかかってしまうため、もしも性行為の度に注射するとなるとかなり経済的に大きな負担となってしまいます。副作用は少なく稀に局部のむくみや痛みが起きるようですが、持続勃起症が認められているため注意が必要です。これは勃起が4時間以上続いた際に海綿体に障害が出てしまう恐れがあるため、この症状が現れたらすぐに専門の医師に相談してください。

日常生活、生活習慣からの治療

EDは生活習慣が原因でなることも多く、特に生活習慣病と呼ばれている疾患と深く関わっています。例えば、脂質異常症患者のED併発率は64.7%、高血圧患者のED併発率は66.7%、糖尿病患者にいたっては80.9%の併発率となっており、かなり多くの患者がEDにもなっていることが分かります。このような生活習慣病は動脈硬化や血管・神経に異常をきたすため、特に細い陰茎の血管には症状が現れやすくEDになりやすくなっています。つまり、EDの症状が見られた場合、生活習慣病のサインともいえます。

食生活・運動習慣・飲酒や喫煙・タバコなどすぐに始められることは多いです。生活習慣病は血流を悪くしていますから、食生活から見直して血液をサラサラにすることを心がけると良いでしょう。運動不足もEDのみならず様々な疾患の原因になりえます。まずは食事と運動を意識してみましょう。過度な飲酒・喫煙・タバコもEDの原因になります。血流の悪化を招くため控えるようにしましょう。ただし、極端に絶ってしまうとそれが逆にストレスになりEDを招く可能性もあるため飲酒や喫煙は少しずつ抑えるようにしましょう。

ED治療薬の効果・作用

当院ではED治療薬を処方しています。そのED治療薬は勃起を補助する作用があります。バイアグラ・レビトラ・シアリスの分類はPDE5阻害剤となります。それぞれの成分であるシルデナフィル・バルデナフィル・タダラフィルが勃起の際に必要な環状グアノシン一リン酸(cGMP)を分解してしまうホスホジエステラーゼ5(PDE5)という酵素の働きを阻害します。

勃起は興奮が脳から神経を伝わり陰茎まで届き、体内で一酸化窒素が放出されることで血管を拡張させる作用をもつcGMPが増加し、cGMPによって陰茎海綿体の平滑筋が緩み、陰茎海綿体に血液が入り込み硬くなり勃起します。そして射精後などに勃起が治まるのは、PDE5がcGMPを分解するためです。EDの方はこのPDE5が性行為中にも多量存在しているため、cGMPが過剰に分解され勃起の起こりにくい状態、もしくは起きない状態になっているのです。

ED治療薬はこのPDE5の働きを抑制し、cGMPを活動させやすくするため、勃起のしやすい環境を作ります。つまり効果が現れている間は、ずっと勃起していることはなく、興奮・刺激があった際に勃起を起こりやすくしている薬剤になります。これがバイアグラ・レビトラ・シアリスの作用です。ではそれぞれの効果を以下説明していきます。

バイアグラ(シルデナフィル)

1998年、世界で初めて勃起を治す薬剤が登場し社会現象まで引き起こした薬剤、それがこのバイアグラです。成分名をシルデナフィルといい、日本でも名前を聞くことの多いファイザー製薬が開発しました。日本で承認されたのは1999年、同年3月に販売されています。用量は25mg、50mg、100mgがあり、日本では50mgまでの承認となっていますが、日本以外でバイアグラが承認されている国では100mgまで承認されています。

性行為前に水で1錠服用し、服用後30分~1時間で効果が現れます。効果は3~6時間ほど持続しますが、バイアグラは食事やお酒の影響を受けやすいため、空腹での服用が基本となっています。副作用は40%以上みられ、主にほてり・潮紅と頭痛が10.83%、CK(CPK)増加5.73%となっています。現在はバイアグラのジェネリック医薬品や効果、副作用の発現率、食事により受ける影響を改善したレビトラやシアリスが登場しています。

レビトラ(バルデナフィル)

レビトラはドイツのバイエルが開発した、まさにバイアグラの改良版といえる薬剤です。成分名をバルデナフィルといい、日本では2004年に5mgと10mgの販売され、2007年に20mgの販売が始まりました。オレンジ色の炎をイメージした外箱は、レビトラの長所であるすぐに効く即効性をイメージしています。俳優草刈正雄さんのEDについてのCMも有名です。

レビトラの大きな特徴は即効性で、性行為中に服用しても問題ないレベルで、すぐに効果が現れる点です。服用後早い方は10分、遅くとも30分で効果が現れます。さらにその効果は5~8時間程度続きます。食事の影響もあっさりしたものを少量であれば耐えられるようになっています(もちろん最大限効果を得るには空腹での服用がベストです)。つまり、バイアグラより早く効いて長く持続し、食事の影響も少ない、まさに改良版となっています。

もう一つ大きな特徴は勃起の硬さが一番出る点です。レビトラ20mgはバイアグラ50mg、シアリス20mgよりも強いためバイアグラ50mgでは効果が弱い方や間違いない薬剤を使いたい方、糖尿病でしっかりとした効果をもつ薬剤を使いたい方などに好まれています。副作用も発現率が28%程度と少なくなっており、ほてり15.66%、頭痛5.59%、鼻閉2.96%、心悸亢進2.96%と報告されています。

シアリス(タダラフィル)

シアリスはイーライリリーの開発したED治療薬で、バイアグラ・レビトラにない特徴を持っています。成分名をタダラフィルといい、5mg、10mg、20mgの用量があります。日本では2007年から販売が始まり、現在では製造販売元が日本イーライリリー、発売元が日本新薬となっています。

シアリスの長所はその圧倒的な効果時間にあります。服用してから効果が現れるまでは個人差があり、1時間~3時間と大幅に違いがあるものの、その効果は20mgでの服用で30~36時間と長時間持続します。金曜の夜に服用すれば日曜の朝まで続くため、海外では「ウィークエンドピル」とも呼ばれています。また、その持続時間からタイミングを気にせず服用できるため、直前になって慌てて服用することもなくとても使いやすい薬剤です。食事の影響もバイアグラ・レビトラに比べ一番受けにくくなっており、あっさりめの多少の食事であれば食べられます(こちらも空腹での服用がベストではあります)。副作用も一番少なく27%程度で、主なものから頭痛11.3%、潮紅5.1%、ほてり3.5%、消化不良2.3%です。安全性・使いやすさから世界の男性に好まれ、2013年にはED治療薬のなかでシェアが1位になりました。初めて使う方にも、他のED治療薬を使っていた方にも、とても使いやすい薬剤であることが好まれ選ばれています。

2014年にバイアグラのジェネリック医薬品が発売し、2020年にはレビトラとシアリスのジェネリック医薬品も販売されているため、ED治療薬は有効成分が同等であるジェネリック医薬品を使用することで安価に行えるようになりました。
厚生労働省でも、医療費の負担軽減のため、ジェネリック医薬品を推奨しています。

ED治療薬を服用できない方

バイアグラ・レビトラ・シアリスともに硝酸剤・一酸化窒素供与剤は併用禁忌となっており、使用中の方はED治療薬を服用できません。また重度の肝障害、網膜色素変性症の患者、6ヵ月以内に脳梗塞・脳出血・心筋梗塞の既往がある方、肺高血圧症に使われるリオシグアト(アデムパス)を服用中の方、疾患の影響で性行為が不適当である方、低血圧・治療による管理のされていない高血圧の方もED治療薬は使うことができません。バイアグラ・レビトラは不整脈に使う塩酸アミオダロン(アンカロン錠)も併用禁忌となっています。レビトラは塩酸アミオダロンに限らず不整脈に使う薬剤、ケトコナゾールやイトラコナゾールなどの抗真菌薬、HIV治療薬・抗ウイルス薬等、他ED治療薬に比べ併用できない薬剤が少し多いので注意が必要です。

これらに当てはまらなくとも、ED治療のために診察を受ける際は必ず現在服用中の薬剤が分かるものを持参し診察を受けてください。持病のある方も同様です。ED治療薬も薬剤のため、取り扱いを間違えれば一大事になります。また、ED治療薬をネット通販・個人輸入で購入しようとすることも控えてください。これは厚生労働省からも注意がなされているように、偽造品の混入が大きな問題となっているためです。実際にネット通販・個人輸入で購入したものの50%以上が偽造品だったと報告されています。偽造品は本物そっくりに作ってあるだけのもので、効果が現れないだけでなく、予期せぬ作用が起きてしまうこともあり大変危険です。ED治療薬は必ず医療機関を受診し処方を受けるようにしてください。

記事監修

平成16年
秋田大学医学部医学科卒業
平成16年
上尾中央総合病院
平成26年
ユナイテッドクリニック池袋院
平成27年
ユナイテッドクリニック上野院
平成29年
ユナイテッドクリニック大宮院院長就任
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