コラム

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2021.04.01

ミノキシジルと女性 

AGAと女性の関係

AGAと原因について

AGAとは、男性型脱毛症を意味しAndrogennetic Alopeciaを略です。様々な原因が挙げられますが、加齢・男性ホルモン・遺伝・血行不良が大きく影響しています。男性の思春期以降に現れる進行形の脱毛症です。症状としては、頭頂部・前頭部が薄くなったり、生え際が後退しM字などになります。脱毛を促進しているのが、活性型男性ホルモンであるDHT(ジヒドロテストステロン)です。DHTは、男性ホルモンであるテストステロンが5α還元酵素を合わさり、DHTに変換されます。変換され作られたDHTは、毛根内のアンドロゲンリセプター(男性ホルモン受容体)と繋がり、その毛根のヘアサイクルを壊し、毛根の成長期を通常より極端に短くさせます。結果、脱毛して薄毛・抜毛が進行します。

AGAと女性の関係

女性は、AGAにならないと思われがちですが、そんなことはなく女性がなってしまうAGAも存在します。主に40代以降の女性に現れることが多く、FAGA(女性男性型脱毛症)と呼ばれます。FAGAの原因として、女性にも男性ホルモンの分泌は行われていますが、加齢が進むことで女性ホルモンが減少し、身体のホルモンバランスが保てなくなることが原因といわれています。更に、加齢が進むと毛根自体も力を失い弱り始めるため、薄毛で悩む女性は、年々増加傾向にあります。

ミノキシジルとは

ミノキシジルとは、アメリカのファイザー社(旧:アップジョン社)が開発・研究してできた血管拡張剤(発毛促進剤)です。ミノキシジルは元々、経口血圧降下剤としての治療薬として販売されていました。しかしその後、副次的な作用として髪の毛が増えたり、発毛したという声が多くあったためAGA治療薬として改めて開発・販売されました。

現在ミノキシジルには、ミノキシジルタブレット(内服薬)とミノキシジル外用薬があります。まず、ミノキシジルタブレットは、AGA治療薬であるフィナステリドやデュタステリドなどの5α還元酵素阻害薬と併用することができ、育毛・発毛に高い効果が期待することできます。ミノキシジル外用薬は、何種類かタイプがあり、スプレータイプやフォーム―タイプ、ローションタイプなどがあります。国内では、大正製薬から販売されている「リアップ」が有名な薬剤です。リアップシリーズとして、「リアッププラス、リアップX5プラス、リアップジェット、リアップリジェンヌ」などあります。

ミノキシジルは、高い発毛効果が期待でき、2017年に発表された日本皮膚科学会の男性型脱毛症ガイドラインではAGA治療薬である「フィナステリド」「デュタステリド」に並び、治療推奨度の中で最高ランクのAランクに位置づけされています。

AGA治療薬と女性の関係

女性の薄毛治療とは

女性がFAGAで悩んでいる場合にどのような薬剤を使用することが効果的かご説明していきます。女性は、AGA治療薬の中でフィナステリドやデュタステリドなどの5α還元酵素阻害薬は、服用することを禁止されています。女性が使用して効果が期待できるのは、ミノキシジルタブレットやミノキシジル外用薬です。

有名なミノキシジル外用薬として、大正製薬から販売されている「リアップ」があり、女性用の育毛剤「リアップジェンヌ」も販売されています。以前は、「リアップレディ」というミノキシジル外用薬がありますが、それを改良したものが「リアップリジェンヌ」です。リアップリジェンヌのミノキシジル濃度は、1%となっており(リアップレディの濃度も1%)大正製薬が行った臨床試験によって効果が実証されています。臨床試験の結果として、6ヵ月の間リアップレディを使用して頭皮の同じ1cm²の範囲の髪の本数が使用前と比較し、15.5本増えたという結果になりました。リアップリジェンヌの副作用は、発現率は高くありませんが元々が血圧を下げる効果があるため、低血圧の方は低血圧症状として、めまい・ふらつきなどが現れる場合があります。ミノキシジル外用薬なため、内服薬と比較すると頻度も低いですが、症状が発現した場合は、AGA専門の知識がある医師にご相談ください。

こうしたAGA治療薬を使った女性の薄毛治療には、5α還元酵素阻害薬を服用できないため、ミノキシジルを使用して薄毛の改善をしていきます。

女性の脱毛症の種類

びまん性脱毛症とは

びまん性脱毛症とは、髪の毛のボリュームが減少したり、細くなって頭皮が見えやすくなる症状が挙げられます。加齢によって起こるホルモンバランスの乱れや仕事・人間関係によって受けるストレス、食生活の乱れなどが原因です。

円形脱毛症とは

円形脱毛症は、有名な脱毛症のため知っている方が多いと思います。男女関係なく症状が現れ、主な原因がストレスです。精神的なストレスがかかりすぎると細菌・ウィルスなど身体に害を排除する免疫が、髪の毛に作用してしまいある部分の髪の毛が丸く脱毛します。

分娩後脱毛症とは

分娩後脱毛症とは、妊娠中に多く分泌されていた女性ホルモンが、子供を出産することで急激に減少することで、髪の毛の毛髪サイクルが乱れ、薄毛になってしまう女性特有の脱毛症です。対策として、授乳することで女性ホルモンが増えて症状が改善することがほとんどですが、体力や女性の年齢が高いと回復が遅くなったり、完治しないこともあります。

記事監修

2008年
久留米大学医学部医学科卒業
2008年~
福岡大学病院にて卒後臨床研修後、同大学医学部形成外科に入局 (2017年3月退局)
2011年
山口県済生会下関総合病院形成外科
2012年
新小文字病院形成外科
2013年
福岡大学大学院生体制御系専攻入学(2017年3月修了)
2014年~
正樹会佐田整形外科病院形成外科
2016年
九州中央病院形成外科
2017年4月
ユナイテッドクリニック福岡博多院院長就任
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